4月22日、23日の2日間、「マニフェスト大賞2012キックオフ・ミーティングin横浜」(ローカルマニフェスト推進地方議員連盟主催)に参加してきました。
テーマは、「激論!大阪都構想とこれからの自治、議会のあり方~」。
paneru



自治制度や議会制度の変化に伴い、議会や議員は今後どのように活動していくべきかについて、
2日間にわたり講演やパネルディスカッションが行われる活気あるイベントでした。

主催しているローカルマニフェスト推進地方議員連盟・マニフェスト大賞実行委員会のメンバーであるため、運営委員会からの参加。今回は、1日目の司会をさせていただきました。

1日目の最初のプログラムは
「これからの大都市制度と市町村自治~大阪都構想から考える大都市制度の課題と市町村の今後~」新田一郎氏(総務省自治行政局行政課 行政企画官・大都市制度専門官)からの講演。

 大阪市の橋本市長などが提唱している大阪都構想などで想定される自治制度はどのような内容か。
現在の大都市制度の問題点はなにか。が主な話題で、維新の動きに反応して作成された民主、自公、みんなの各党の法案について説明がありました。
法案が適用範囲の広い「一般法」として作られていること、また法案にある対象自治体の規模を見ると、人口規模の大きい市を抱えている都道府県では都構想を導入することができるということで、大阪都構想は大阪に限ったのものではなく、全国的に広がりのあるものだということが理解できました。

 東京23区、江東区議会議員をしている私としては、
大阪都構想と現在の23区の都区制度との相違点、現在の東京都の都区財調制度における都と23区の対立構造の話について、「都区制度において、東京都と23区が昭和20年代から権限争いを繰り返している」という話が非常に身近に感じられました。
 1年間、区議会議員をしている中で、清掃港湾問題や、築地市場の豊洲移転問題などが議会で議論される際など、東京都と23区の権限の違いを感じる面も多くあったため、新田氏のざっくばらんな話の中でいろいろと気づかされるものがありました。

続いて山梨学院大学の江藤俊昭教授の講演。
「今求められている地方議会、議員〜政策本位の議員だからこそやるべきこと〜」eto

前段の新田氏の講演内容を踏まえ、議会には地方自治法の規定によって様々な課題について議論し、採決によって形にしていく大きな権限が与えられている。地方議員は自覚をもって議会で役割を果たす必要があるというメッセージがありました。

1日目最後はパネルディスカッション。
江藤先生のコーディネートで、神奈川県の菅原直敏議員、横浜市会の鈴木太郎議員、藤沢市の原輝雄議員、東京都の伊藤悠議員という多彩な論客がパネラーになり、
「地方議会から考えるこれからの自治」について白熱した議論が繰り広げられました。

都区制度の話、神奈川県と横浜市など県と政令市の関係、住民自治、そこで求められる議員の役割など広がりのある議論でした。
 
 江藤先生が、地方議会で求められている議員のあり方について、今までは陳情を処理する役割が主だったが、これからは政策立案できる議員が求められているという投げかけをしたところ、
神奈川県の菅原県議は、「地方分権の時代には政策型議員が求められており、多くの議員が政策を議論するようになるべき」
横浜市の鈴木市議は、「政策提案を形にするためには泥臭さも大事で、政策型と陳情型を対立軸で考えるのではなく、2つの統合が必要」という話がありました。

 2年目になったばかりで、議員としての活動を日々模索中の私としては、議員の役割として、政策立案型が求められる時代になったが、地域の課題を解決するには、「政策型」「陳情型」のハイブリッドが必要であるという言葉に気付きを得ることができました。

2日目は、北川正恭教授の「これからの議会、議員とマニフェスト大賞」でスタート。
これまでの政治が担ってきた「富の分配」という役割が、今の日本では「不利益の分配」に変化。
税収の分配がより重要になっていくている現状の中、「自治体の予算を議決するのは首長ではなく議会である」
というメッセージがあり、大変やる気の出てくる内容でした。
kitagawa


その後、豊島区による
「新しい自治に向けた、先進事例紹介 〜【豊島区】システム共通基盤を活用した情報共有の取り組み」新日本有限責任監査法人による「公会計から始める 自治体改革」の2つのテーマによる講演があり、キックオフミーティングは閉会。

ローカルマニフェスト地方議員連盟のイベントでは、講演のほか、多くの地方議員との交流の中でいつも新しい気づきや刺激があるのですが、今回も有意義なひと時でした。

議員活動2年目を迎えるにあたり大変引き締まった気持ちになりました。頑張ります。

今回のイベントの全容は、「政治山」のサイトに詳しく記載されています。
☆「政治山」記事:
大阪都構想は地方政治をどう変えるか 22、23日に議員研修会開催(4月24日)

政治家 ブログランキングへ