皆さん、こんにちは。

本日は中央防波堤埋立地の見学に、豊洲文化センター講座の受講生の皆さんと行ってきました。

文化センターの「豊洲から見る江東現代史」の連続講座の2回目、
「南の方角へ行く「謎の島」中央防波堤埋め立て地見学」というテーマの見学会でした。

中央防波堤の埋め立て地、通称「中防(ちゅうぼう)」
中防とは中央防波堤埋立処分場の略称で、東京23区から出されるごみを最終的に埋立てる、埋立処分場のこと。

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衛星写真  2001年1月現在 都港湾局提供 東京都環境局HPより


・内側埋立地(埋立完了:78ha=東京ドーム17個分)
・外側処分場(埋立中:314ha=東京ドーム67個分)
・新海面処分場(埋立中:489ha=東京ドーム103個分)
で構成されています。


この土地は、江東区の最西端、青海3丁目の地先にあります。

平成8年に埋立てが竣工しているのですが、土地の帰属がまだ決まっていない場所です。
現在、江東区と大田区が帰属を主張しているのですが、東京都のごみ処理問題を長年都と連携して負担してきた江東区としては、「中防は江東区の帰属である」と常々主張しており、議会では本会議や、清掃港湾特別委員会でたびたび話題にされる土地です。

■江東区ホームページ 平成22年11月の「区長室から」
「中央防波堤の帰属問題~江東区以外の帰属は許されない」の記事がわかりやすいです。

また、中央防波堤最終処分場に、被災地のがれきと多摩川下水道の汚泥の焼却灰の搬入することも東京都によって決定されました。

このような経緯がありながらも、区民の方々からは意外に知られていない、「知られざる場所」です。

今日は、豊洲文化センターからマイクロバスで、中央防波堤埋め立て地方面に向かいました。

☆見学詳細

(1)東京都廃棄物埋立管理事務所見学

東京都廃棄物埋立管理事務所にて、中央防波堤外側埋立処分場、新海面処分場の概要、環境への取り組みについてお話を伺いました。

東京都のごみ処理の歴史、昭和二年に埋め立てられた潮見、昭和32年の夢の島、昭和40年から埋め立てられた若洲、などの埋め立て地の変遷。

昭和40年代には、江東区民が杉並区のごみの埋立処分場への搬入を実力阻止した「江東ごみ戦争」が発生し、このことは、江東区の歴史を知る当時からの住民の方や、議会でもよく語られるお話です。

 当時は可燃ごみの焼却が進んでおらず、江東区内にある夢の島には、23区の家庭の生ごみの7割がそのまま埋め立てられ、ハエなどが異常発生し、区民の生活を脅かしていていたという背景もありました。

☆豆知識:「江東(東京)ごみ戦争」とは
「1973(昭和48)年5月22日、東京の江東区議らがごみ埋め立て地「新夢の島」への杉並区のごみ搬入を実力で阻止した。江東区は東京23区から出るごみの70%を引き受けていたが、杉並清掃工場建設に反対する杉並区民のエゴに反発し「ごみ戦争」に。同区内に新たに建設用地が決まり、一件落着。」

資料 共同通信ニュース「<あのころ>東京ごみ戦争 江東区が杉並の搬入車阻止」の記事2012年5月22日 より抜粋)


昭和48年から埋立てが始まったのが「中央防波堤内側処分場」

続いて、昭和52年、今度は中央防波堤の外側の海域に、現在も使用している中央防波堤外側埋立処分場の埋立が始まります。

この頃を境に、増加する一方のごみ量に対して埋立処分場の確保の難しさが 大きく認識されるようになりました。処分場の延命化が東京都の重要課題となり、清掃工場の建設、粗大ごみ破砕処理施設 の建設など、中間処理施設の整備が急速に進められました。

そして平成に入り、外側処分場の残りがわずかになり、「新海面処分場」の時代に。
平成10年にAブロック、平成15年にBブロックの埋立が開始。
新海面処分場は、50年でいっぱいになると言われており、東京湾にはもう、処分場を設置できる水面はなく、ここが23区最後の処分場です。

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新海面処分場を1日も長く使うためには、ごみの減量などを行い、
限りある処分場を長く持たせるためには、3Rやゴミ分別、リサイクルが大切です。

(1)REDUCE(リデュース)・・・・・ごみを減らす    
(2)REUSE(リユース)・・・・・くり返し使う  
(3)RECYCLE(リサイクル)・・・・・資源にする
 

事務所でお話を伺った後は、10階から処分場の諸施設、風車についての説明を受けました。
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バスの車中から、粗大ゴミ破砕処理施設見学(雨でガラスに水滴がついてます)
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や風車などを見学。
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今までは机上の資料や議会質問などで聞いていた各施設の詳細を知ることができ、勉強になりました。
議会で審議、質問をする際、机上の資料だけではなく、見学した経験があると、掘り下げた話ができるようになります。

大変学びの多い見学でした。

と同時に、中央防波堤やごみ処理の問題は、生活に密接しているにもかかわらず、意外に区民の皆さまには知られていないので、Webなどの情報発信に加え、あやこcafeなど直接対話ができる場の中でも今後しっかりとお伝えしていきたいと思います。

関係者の皆さま、本日はありがとうございました。



☆参考:東京都廃棄物埋立処分場パンフレット

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