今週は、火曜日より、決算審査特別委員会が日々開催されておりますが、3日目となる昨日(10月2日)は、民生費の審査でした。
 子育て・保育・高齢者福祉・障害者福祉などが主な事業になりますが、
私は、「保育事業」「子育て支援事業」について質問をしました。
私のメモをもとに概要を紹介します。
(正式な報告は、約3ヶ月後に公開される「江東区議会議事録」をご覧ください)
質問の動画も「江東区議会インターネット中継」にアップされているのでご覧頂けると幸いです。
☆決算審査特別委員会・民生費・鈴木あやこの質問
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主に、保育計画課長との質疑で、子ども未来部長からも一部答弁頂きました。
 民生費の質疑の際は、保育や子育て支援について質問をすることが多いのですが、今回は、江東区の「待機児童問題の解消」や「在宅で子育てをする家庭向けの新しい子育て支援」を重点的に質問しました。来年度から実施される「子ども子育て新制度」で江東区の子育て支援に新たな視点が付加される、という点についても提案ができたかと思っています。

☆☆☆質疑概要(メモ)☆☆☆

1 保育事業について

(1) 待機児童の解消について
①待機児童の予測について

 本区では、待機児童ゼロを目指して、不断の努力を続けていることに対して、評価致します。現在、来年度開始予定の子ども・子育て支援法の本格実施により、環境が大きく変わろうとしています。
 また、マスコミ等でも度々報道されており、区長も言及されているように、待機児童のカウント方法は、自治体毎に異なっています。
 本区でも、平成26年から待機児童数について形式的315人、実質的170人というように、2種類のカウントを公表するようになりました。
 難しい質問だと思いますが、来年4月1日の待機児童の状況は、どのように予測をしているのでしょうか。また、本区は今後「待機児童ゼロ」とは形式的・実質的、どちらを目指していくのでしょうか。

(答弁)
・来年4月の待機児童の予測ですが、今まで、待機児童ゼロを目指して進めてきたが、保育需要の増と人口増に対応するため、昨年度、今年度と2,400の定員を確保するなど、その対策を加速化している
・都内で1番、全国でも有数の対策を講じているが、来年の4月からは、今までの保育制度が抜本的に変わる子ども・子育て新制度がはじまり、「保育に欠ける」から「保育を必要とする」など、入所の要件が大きく変わるので、予測するのは今まで以上に困難な状況である
・形式的と実質的のどちらを目指すかとのご質問については、今までの質疑の中でもご説明してきたとおり、形式的には、保育所入所の意思がない人も含まれたり、待機児童ゼロを宣言した自治体も、独特のカウントをしている。
・入所希望者への適切な情報提供や限られた資源の中、両方を併せて公表する必要があるが、実質的な待機児童ゼロを目指して、対策を講じていく


(コメント)新制度の開始により、待機児童の予測はさらに難しくなっているということですが、保護者の方々が、仕事と子育てをしっかりと両立できるよう、実質的な待機児童ゼロを目指してしっかりと対策を進めて頂くことを要望します。

②保育所あっせんによる待機児童解消について

 本区の平成26年度の待機児童数を見ると、特に保育需要の高い0−2歳の待機児童数は、実質的:158人、形式的:301人であるのに対して、空き定員も296人という状況があります。
 千葉市では、保育定員増のほか、保育所の希望を第9希望まで受付け、希望した保育所に入れずに待機児童になりそうな家庭に、市役所の職員が直接電話をし、空きのある保育所をあっせんするなどの取組を行うことによって、平成26年の実質的な待機児童をゼロにしたというお話を、視察の際に伺いました。保育所の空き定員を減らし、効率的に待機児童を解消する策として、本区でもこのような取組を検討してみてはいかがでしょうか。
 また、保育所が決まらなかった児童の追跡調査を行うことも待機児童を着実に減らす為には有効だと考えますが、あわせて伺います。

(答弁)
・委員ご指摘のとおり、0歳から2歳の空き定員が300弱ある。
・地域的な偏在やニーズのミスマッチなどの理由も考えられるが、この300という定員は、単純計算では、待機児童の解消ができる十分な定員である。
・施設の整備を進める一方で、こうしたソフト面の対策も重要であると認識している。
・千葉市をはじめ杉並区でも同様の対応をしている、子ども・子育て支援新制度で待機児童の考え方が大きく変わる中ではあるが、本区においても、その取り組みを検討していく。
・区長からもいわれており、待機児童の追跡やあっせんについても実施を検討している(こども未来部長)



(コメント)待機児童解消には、施設整備による定員増も大事ですが、本区では今まさに、重点的な施設整備に取り組んでいるところであり、限られた財源の中で、待機児童を効率的かつ着実に減らしていくことも急務であると考えます。(千葉市に伺ったところ、あっせんは、保育園が決まらなかった保護者に直接電話をすることで、相談に応じたり、認可以外の保育施設へのアプローチ状況を確認したりする手段としても役立っているそうです。)このように、有効なマッチングを推進し、空き定員をなくす取組も着実に進めて頂きたいと思います。

(2)情報提供について
 今回、本区は、昨年度の緊急対策を受け、100人以上の待機児童を減らし、実質170名と形式315名に分けて公表したことについては、限られた資源を有効に分配するため、そして何よりも、保護者への正確な情報提供といった面について評価しております。
 私自身、色々な保護者の方々とお話ししていると、保育園の情報などについては様々なデマや憶測が飛び交っている場合があり、不正確な情報に惑わされ、不安を抱いている人が多くいることを感じます。
 正しい情報のタイムリーな発信については、保護者の方からも、再三求められています。これまでにも少しずつ改善しているとは思いますが、改めて、保育情報提供の充実について、どのように取り組んでいるかをお伺いします。

(答弁)
・保護者と直接話す、様々な機会やインターネット上の書き込みの中で、同じように感じている。
・加えて、保育現場で働く人たちの中でも、保育の入所や保育費についても、知らない人が多くいる。
・例えば、一昨年度から、認証保育所の空き情報の提供を月1回で公表をはじめ、更なる充実を検討している。
・また、区からの情報発信を強化するとともに、現場職員の研修を充実し、現場からの情報発信にも力を入れている。
・今後も、引き続き、正しい情報の発信を多様な手段により進めていく。


(コメント)
 慢性的な待機児童を抱える本区においては、保育園を探す「保活」も激化しており、「情報は保活の生命線」であるともいわれています。
来年度の保育園入所申し込みに関しては、新制度の導入によりさらに混乱することも予想されるので、区が主導して正しい情報を迅速しっかりと伝えていくことは大変重要です。
 現在可能なあらゆる手段を駆使して、情報提供の更なる強化を要望します。

(3)江東湾岸サテライト保育所について
 本区が4月に整備した江東湾岸サテライト保育所については、保護者からも満足の声を直接聴いており、これまでの質疑の中でも大変高い評価であると伺っています。区報の10月1日号でも1面に取り上げられていますが、
 本区では、来年4月に2園目となる江東湾岸サテライト保育所を整備すると発表しました。本園は有明に、分園は東雲イオンの1階に整備する予定と伺っており、既に地元の保護者からも期待する声があがっています。新しく整備予定のサテライト保育所について、1園目と比べて違う部分はどこでしょうか。伺います。

(答弁)
・今回も保護者の生の声を聴きながら計画してきた。
・例えば、分園では、当初は、臨海高速鉄道の東雲駅にステーションと考えたが、実際に東雲地域に住んでいる人たちの、通勤は豊洲駅や辰巳駅を利用しており、東雲駅に作っても効果がとても薄いこと
・また、東雲地域の生活の中心は、イオン東雲であることがわかり、ステーションを駅前ではなく、今回の場所を選定した。
・本園では、園庭があり、オリンピック会場の中にある
・水と緑をはじめ環境も意識した整備を行う
・オリンピック終了後のまちづくりも視野に入れた、柔軟な定員設定や歩行者導線ができるように配慮している。
・いいところは残しながら、さらに良い保育施設となるよう進めていく。


(コメント)
 現地で聴いた保護者の生の声を反映し、来年4月の開園に向け、スピード感を持ってニーズを捉えた施設整備を進めていることは素晴らしいと思います。 水辺と緑に囲まれた園庭のある環境で、オリンピック後も視野に入れた質の高い施設の整備を検討しているということなので、地域から愛され、江東区の誇りになるような園になることを期待し、次の質問に移ります。

2 子育て支援事業について

(1)子ども子育て新制度による子育て支援機能の強化について

 本区では、児童人口の増加により、保育需要と同様、在宅で子育て家庭に対する支援の需要も増大しています。
 今年2月の予算審査特別委員会の際、「有明地区の子ども家庭支援センターの整備」について質問しましたが、マンション建設が進む有明や、豊洲新市場開場を機に、マンション建設が予定されている豊洲6丁目周辺など、南部地区の子育て支援環境の整備は喫緊の課題となっております。
 来年4月の子ども子育て支援新制度では、保育所の役割として「子育て支援の基盤整備」が明文化され、保育所等に、地域子育て支援センターを整備することなどが盛り込まれています。これは、在宅で子育てを行う家庭にとっても朗報であると考えますが、本区における考え方や予定されている取組について伺います。

(答弁)
・区立保育園で行っているマイ保育園制度では、昨年度は約1,300名の在宅家庭の保護者が登録していた。
・今年度は、在宅家庭の保護者支援の充実のため、来年度から各園に子育て支援アドバイザーを置き、保育園以外の子育て支援の相談にも対応できるよう、子育て全般にわたる事業の研修をしている。
・次年度は、このノウハウを私立保育園でも実施していけるように、現在、調整をしている。


(コメント)
それは素晴らしいことなので、ぜひ、進めて頂きたいと思います。
自宅で子育てをしている保護者の方々は、地域の子育て支援センターに、地域との交流や仲間づくり、子育ての悩みの解消など、交流の場を求めています。
 地域の保育所に、子育て支援拠点を設けることで、これらの課題が解消でき、「保育園を核とした地域コミュニティの形成」を区内全域に広げることができるため、これは大きなことだと思います。

(質問)
 今後、さらに進んで、「地域子育て支援センター機能併設の保育園」の整備を検討してはいか
がでしょうか。
 先進事例として、山梨県甲府市にある宮前保育園では、保育施設内に一時保育室を整備し、在宅で子育てをする子どもや保護者が園で交流をしたり、ランチやカフェなどを楽しんだりするなど、子育ての不安の解消や、地域との交流もできるため、行列のできる保育園として大変人気があるそうです。
 このような施設を区内に整備することで、地域の在宅で子育てする保護者やお子さんが不安なく、楽しく地域に溶込むことができ、きわめて有益であると考えますがお考えを伺います。

(答弁)
・宮前保育園は、総括質疑の中でお答えした、視察先のひとつであり、様々なことで先駆的な取り組みをしている園だと認識している。
・保育園併設の子育て支援機能は、施設面、人材面でも効果的であり、何より保護者のニーズや子供達の交流といった点でも好ましいものだと考える。
・子ども・子育て新制度の趣旨を踏まえ、在宅家庭の子育て支援のため、導入の可能性を積極的に検討をしていきたい。

 
(まとめ)
 前向きな答弁、ありがとうございます。
 本区で「地域子育て支援センター機能併設の保育園」を導入することは大きな意義があると考えます。
 保護者の視点にたち、施設形態にとらわれない柔軟な形で、地域の子育て支援拠点を整備することが今後の江東区においては、大切になってくると考えます。湾岸サテライト保育の整備など、前例にとらわれない斬新な手法を行ってきた本区の子ども子育て事業のさらなる発展を期待して、質問を終ります。
 
☆☆☆以上が質問概要です。☆☆☆

今回の質問に関し、ご協力頂いた皆様に感謝致します。

今後もしっかりと江東区の保育・子育て支援の向上に取り組んでまいりたいと思います。



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