皆様、こんばんは。
江東区議会では、9月28日から終日決算審査特別委員会が開催されております。
今回の決算審査では、総務費、衛生費・産業経済費、土木費について質問を行いました。

土木費、交通政策の質疑の内容について、まとめましたので、ご報告します。
今回は、臨海部のBRTや中央区が計画している地下鉄新線「都心部・臨海部地域地下鉄構想」という、あまり江東区議会では取り上げられない内容について取り上げて質問しました。

「BRTはオリンピックまでに間に合うのか?」
「江東区は中央区の地下鉄新線構想についてどう考えるのか」ということについて答弁頂きました。
区の見解として「基本的にはウェルカム」という答弁を引き出すことができたのは一歩前進だと思っております。

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2.「交通政策について」
 豊洲や有明など、本区の臨海部については、依然として続く高層マンション建設やオリンピック・パラリンピックの開催、延期されていた豊洲市場が開場の見通しとなるなど、交通需要は日々増大しているところです。臨海部の交通利便性を高めることは、住民や来訪者の満足度向上や地域の魅力向上にもつながります。その観点から2点について伺います。

(1)臨海部BRTについて
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催に向け、東京都は、「都心と臨海副都心を結ぶBRT」の運行を計画し、2019年度内に勝どきルート、晴海・豊洲ルートの運行開始を予定しておりました。しかしながら、臨海部BRT運行に向け、東京都と京成バスがこの春に設立を予定していた運行会社の設立も延期されたままであり、前提となる環状2号線の整備についても、本線開通はオリンピックに間に合わず、残された地上部分の暫定開通も、東京都によると平成32年3月が見込みであるとされていますが、不透明な状況です。
このような状況のもと、臨海部BRTの平成31年の運行は絶望的であり、32年3月の運行開始が不安視される声もあがっています。

①臨海部のBRTの計画について、現状はどのようになっているのか、現在の課題は何かを伺います。
【答弁】
平成28年4月に東京都都市整備局と京成バスが取りまとめた「都心と隣家副都心とを結ぶBRTに関する事業計画」では、2019年度内に勝どきルート(新橋駅〜勝どき)、晴海・豊洲ルート(新橋駅〜豊洲駅)の2系統の運行を開始するとなっております。
 東京都からは「都民ファーストで作る新しい東京〜2020年に向けた実行プラン」にもありますが、環状二号線の整備状況に合わせてBRTの運行を開始するため、現在運行事業者と協議を行っていると聞いております。築地市場の豊洲移転延期に伴う環状2号線整備の遅れや、新会社設立の延期などから、計画の進捗状況については区としても注視しているところです。


②BRTの開通がオリンピックにどの程度間に合うかについても見解をお聞かせください。
【答弁】
オリンピックに間に合うかどうかという点については、現在都は運行事業者と競技を行っていると聞いております。このため今後の整備状況を見守ってまいります。

■まとめコメント
BRTについては、7月に我が会派で新潟市、8月には区議会で岐阜市の視察を行い、高機能で輸送能力の高い連節バスの運行により、交通利便性も向上し市民満足度の向上につながっているというお話も伺いました。
臨海部BRTは、オリンピック開催時の交通手段のみならず、大会後においても交通需要が急増する江東湾岸エリアの交通利便性の向上の一助となるため、状況を注視し、積極的に推進していただくことを要望し、次の質問に移ります。

(2)「都心部・臨海部地域地下鉄構想について」
新豊洲や有明などの住民の方々から、期待を寄せられているもう1つの交通政策として、中央区が進めている「都心部・臨海部地域地下鉄構想」があります。
この構想は、都心部の起点を銀座駅付近とし、勝どき、晴海、豊洲市場周辺や有明などの臨海部を結ぶプロジェクトです。平成27年度に公表された国交省の交通政策審議会の答申では、本区が推進する地下鉄8号線と並び、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として取り上げられているものです。このプロジェクトは、計画の実現性には課題はあるとされているものの、江東区湾岸エリアの交通利便性向上に資するものです。

①「都心部・臨海部地域地下鉄構想」について、本区としても積極的に参画すべきであるが区の見解を伺う。
【答弁】
 ご案内の通り、中央区は銀座と晴海を結ぶ交通機関が必要だとして、過去にLRT構想やBRTの検討を行なっておりました。
 最終的に鉄道整備が必要とのことで、都心部・臨海部地域地下鉄構想が打ち出され、晴海から南下し、豊洲埠頭を経由し、国際展示場、りんかい線に接続を予定するものであります。
 将来的に、この路線が開通した暁には、ご指摘の通り、江東湾岸エリアの新たな交通網として、利便性が向上いたしますので本区にとってもメリットのある構想であると認識しており、基本的には「ウェルカム」であります・
 ただ、国の答申においては、事業性に課題がある、検討熟度が低く構想段階であることなどは指摘されております。
 まずは、この路線を必要とする中央区さんが主体となって、構想から計画、そして事業化路線となるよう、頑張っていただきたいと考えております。

【コメント】
区の見解として「基本的にはウェルカム」という答弁を頂いたのは初めてだと思うので、嬉しく思います。

②現状の中央区や関係主体との連携状況について伺います。
【答弁】
中央区の構想路線は国の交通政策審議会による答申に位置づけられることを目指し、平成26・27年度に検討が始められた路線です。
 結果、28年4月の交通政策審議会答申には位置づけられましたが、事業性に課題がある(B/C0.7)とされ、常磐新線延伸(秋葉原〜東京(新東京))との一体整備・直通運転化など、事業計画の検討が必要でありとの指摘がなされている。
(これによりB/Cは1.5と好転するも、全体事業費は6500億円)
 答申から現在まで、中央区の具体的な動きは見えないが、実現に向けては今後答申で指摘されている重い課題の解決に向け、事業計画を深度化する必要がある。
この構想が実現されるまでは、今しばらくの時間と掘り下げた調査が必要であると考えますので、本区としては中央区や関係者の対応を見守っていく。


③今後どのように関わっていくのか?
本区としては、有明地区や市場周辺の交通利便性向上に資する本路線について、八号線以降の事業化は歓迎するところであるが、当面は中央区や関係者の対応を見守っていく。

④本区として、地下鉄8号線の実現を目指していくことが最優先であることは言うまでもありません。中央区の動向を見守るだけでなく、時期尚早という見解もあるかと思いますが、江東区として、豊洲や有明地区の方々を対象に交通需要の調査をするなどの進んだ対応が必要ではないでしょうか?

【答弁】
豊洲・有明地区の交通需要が増えているということは認識しておりますが、交通動向調査については、現段階では検討しておりません。

【コメント】
地下鉄新線導入のための交通需要調査ということは難しいと思いますが、ぜひ導入を検討いただくことを要望します。
豊洲・有明などの江東湾岸エリアは今後も開発により人口が増え、交通需要も日増しに高まっております。交通利便性の向上のため、コミュニティバスの臨海部への延伸について、1年半前の予算審査特別委員会で質問した際、都バスの既存路線の撤退につながることが懸念され、難しいとの区(区長直々)の見解をお伝えしたところ、地域住民の方々が大変残念がっていたことが思い出されます。 
豊洲の住民にとっては橋を渡るとすぐに晴海や勝どきがあり、有楽町線を使えば月島や銀座はすぐ近くであり、築地市場の移転などもあることで、お隣の中央区には、同じ湾岸エリアということもあり、親近感を持っている方も多く、中央区の交通政策については高い関心を持っています。
臨海部の交通利便性の向上を図るために、今回質問した地下鉄新線は共に重要なプロジェクトであり、その実現のためには隣接する中央区の政策を共に応援する、と言う心がけや行動も必要だと考えます。
このことを要望し、質問を終わります。

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