江東区議会議員の鈴木あやこです。
9月19日に江東区議会が開会。10月23日までの会期で第3回定例会が開催されます。
鈴木あやこは初日の本会議で、会派の代表質問を行いました。
質問項目は4項目。

質問と行政側の答弁について、本ブログで4回に分けてご報告いたします。
2.DXについて
(1) DXの推進体制について
【質問】
行政におけるDXは、住民サービスの向上や業務効率化、職員の負担軽減に不可欠であり、持続可能な行政運営の鍵となります。コロナ禍やデジタル庁の創設により、全国的にデジタル化が加速しています。私は、これまで議会を通じてDX推進を提案してきましたが、大久保区長の重点政策にもDX推進が掲げられており、その意欲的な取り組みに期待しております。
本区では、令和6年度からDX推進室およびDX推進課を新設し、外部人材を活用したCIO補佐官の任用、ICT職の採用、DX推進サポーターの任命など、全庁的な推進体制を整えているところです。
まずは、区長就任後のDX推進に関する進捗状況の評価と、今後「爆速でDX推進を進める」ための方針について、区長のご意気込みをお聞かせください。
【答弁】
私は区長就任後、DX推進の基盤となる推進体制の強化や職員の意識改革が何よりも必要との認識のもと、DX推進室の設置やCIO補佐官の任用などを進めたほか、私自らDXの重要性について全職員にメッセージを発信するなど先頭に立ってDXを推進してきたところです。
これらの取組みにより職員の意識改革は着実に進み、各課の業務改革や周囲の職員支援を行うDX推進サポーターに、150名もの職員から立候補があり、スピード感をもってDXを進めることができていると評価しております。
また、今後の方針についてですが、令和7年度当初予算編成方針においても、「時代に即した手法で施策を実行するために全庁を挙げてDXを推進する」としたところであり、引き続き、DXについて一層強力に推し進めてまいります。
(2) 区民目線でのDX推進について
【質問】
千代田区や豊島区では、区民目線でDXを推進するために、区民から募集した提案を区民投票にかけ、その結果を来年度の予算案に反映させる取り組みを実施しています。このような形で区民の意見を直接反映させることは、DX推進において非常に効果的な方法と考えます。本区においても、区民目線でのDX推進を図るべきだと考えますが、見解をお聞かせください。
【答弁】
DXにかかる施策については、区政世論調査をはじめとする各種アンケートや、区民から寄せられた意見等を踏まえ進めており、今後も区民ニーズを的確に捉えた施策を実施してまいります。
また、現在策定中の「(仮称)江東区DX推進計画」においても「区民にやさしい」という視点を設定しており、さらなる区民の利便性向上を図ってまいります。
(3) 窓口DXについて
【質問】
行政のDX化において、区民の利便性を高めるためには「窓口DX」の推進が不可欠です。都内の自治体では、新庁舎の整備を契機に、ペーパレス化やデジタル化、ワンストップ化を進めるケースが増えています。例えば、中野区では、本年5月の新庁舎の整備に伴い、「迷わない・待たない・動かない・書かない」の4つを実現し、さらにオンラインで手続きができる「なかのスマート窓口」を開設しました。
本区でも、新庁舎整備に向けたDX化の検討を始めていますが、庁舎整備には10年ほどかかる見込みです。そのため、窓口DXについては、今できることをスピード感を持って進めることが重要だと考えます。そこで、区としての見解をお聞かせください。
具体的には、スマートフォンやPCを使い、オンラインで手続きが完結することが理想です。その実現に向けた目標年次はいつ頃を想定しているのでしょうか。
また、マイナポータルを活用した「ぴったりサービス」による行政手続きのオンライン化と、その利用促進が求められています。さらに、本区ではロゴフォームを使った電子申請の拡充を進めていますが、オンライン化された申請システムの周知や広報を充実させ、使いやすい仕組みを作ることが必要だと考えます。
町田市では、オンライン申請を簡単に利用できる「まちドア」という電子申請ポータルサイトを開設し、AIナビゲーターを導入しています。本区でも、このような仕組みを導入してはどうか、区のご見解を伺います。
また、窓口DXを進めるにあたっては、「誰一人取り残さない」という視点も重要です。文京区では、窓口での障害者や外国人との意思疎通をスムーズにするため、透明ディスプレイを利用した新しいシステムを導入予定です。本区でも、誰もが使いやすい窓口環境を整備するため、こうしたシステムを導入するべきだと考えますが、区の見解を併せてお聞かせください。
【答弁】
窓口DXついては、新庁舎整備を待つことなく早急に進めていくべきとの認識であり、特に区民からの要望の大きい行政手続きのオンライン化については、早期に100%とすべく取組みを進めてまいります。具体的な目標年次については、基幹系システムの標準化等を踏まえ、策定中の「(仮称)江東区DX推進計画」の中で示してまいります。
また、電子申請ポータルサイトの開設についてですが、区民にとってわかりやすい入口とすることは、利用促進の面からも重要な視点と考えております。まずは、今年度のホームページのリニューアルにあわせ、電子申請の入口の一本化を図るとともに、手続きのオンライン化の進捗にあわせ、ポータルサイトなど、よりわかりやすい方策を検討してまいります。
さらに、窓口における新たなシステムの導入については、本区ではタブレット端末を介し、多言語や手話に対応した通訳オペレーターに接続できるサービスを16の部署で導入しており、今後も本区の窓口に適したサービスについて、様々な手法を研究してまいります。
(4)DX推進計画について
【質問】
・本区の「情報化推進プラン」は、ICTを活用して区民に便利で質の高い行政サービスを提供し、効率的な行政運営を目指すために、令和2年3月に策定されました。この5ヵ年計画は令和6年度で終了するため、本年がその仕上げの年となります。掲げた施策を確実に実現するため、現状の進捗についてどのように評価されているのでしょうか。
また、現行プランの終了を見据え、区では令和7年度からの5ヵ年計画として「(仮称)江東区DX推進計画」を策定中です。これまでの「江東区情報化推進プラン」は、江東区基本構想や長期計画の一部として、区の将来像を情報化の観点から支える個別計画でしたが、新たな計画では、全庁的なDX推進が求められます。
港区では、令和5年度に「情報化推進計画」を「DX推進計画」に改定し、デジタル技術を用いて各分野の計画実現を加速させる仕組みを構築しています。本区においても、DX推進計画が個別の取り組みにとどまらず、全庁的に展開しやすい構成にすることが非常に重要だと考えます。
そこでお伺いします。現行の「情報化推進プラン」と新たに策定中の「DX推進計画」ではどのような違いがあるのか、また全庁的なDX推進をどのように進めていくのか、ご見解をお聞かせください。
【答弁】
現在の情報化推進プランの進捗についての評価ですが、現プラン策定時に想定していなかった社会状況の変化に適宜対応しながら、施策を着実に進めることができたと評価しております。
また、現プランと次期計画の違いについてですが、次期計画では単に行政サービスのデジタル化を目指すのではなく、区の変革に重点を置いたものとしており、目指す姿を「Smart KOTO」とし、「区民にやさしい」「職員が働きやすい」「DX基盤の整備」の3つの視点を軸に将来にわたって幸福度が高いまちを目指す計画としてまいります。全庁的なDX推進の進め方については、新たに複数の指標を設け、全体的なDXの進捗管理を行うなど、全庁一丸となってDXの取組みを加速してまいります。