おはようございます。
区議会第3回定例会も、本会議一般質問・補正予算・決算審査特別委員会が終了し、昨日から常任委員会の審査が始まりました。
9月25日の本会議の中で行われた代表質問の動画がアップされましたので、質問と答弁の文章のメモとともにご紹介させて頂きます。
大きく(大綱)3点についての質問です。
1 「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについて
2 本区のICT戦略について
3 「水彩都市・江東」のまちづくりについて
今後の新たな江東区政に向けて必要となる視点や、区政の重点施策の中でも、私が特に力を入れている分野(水辺のまちづくりやICTの活用)に関して、20分の質問にまとめました。
ぜひ、動画の視聴等頂けると嬉しいです。
☆江東区議会インターネット中継平成26年第3回定例会(9月25日)
■質問・答弁(メモ:正式な記録は「江東区議会会議録」をご参照ください。)
江東区議会民主党の鈴木綾子です。会派を代表して、大綱3点について質問いたします。区長ならびに関係理事者の皆様には、明快で前向きな答弁を期待致します。
大綱1:「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについて
(1)オリンピック・パラリンピックを踏まえた区民意見の反映について
後期長期計画の最重要課題は、やはり東京オリンピック・パラリンピックの開催であると考えます。本区では、この7月から「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピック」を既に3回開催し、オリンピックに対応したまちづくりに区民意見を反映されるための取組を行っています。私も9月4日に深川スポーツセンターで、区民からの生の意見を直接お伺いし、改めて、「東京オリンピック・パラリンピックを絶対に成功させよう」と決意を新たにしましたが、区長自らこの会に参加され、どのようにお感じになられたのか。区民意見を具体的にどのように見える化し、長期計画に活かしていくのか、具体的な方策についてお示しください。
オリンピック・パラリンピックについては、区民生活を大きく変える出来事であり、頂いた区民の声がどのように区の施策に活かされるのか、その過程や決定した施策を「見える化」するともに、区民意見を反映する会議体などを継続的につくることが必要不可欠であると考えます。私は以前、2007年江東区基本構想を検討する際、区民意見を反映する場として設置された「江東未来会議」に区民公募委員として参加した経緯があり、それが今、議員として仕事をさせて頂くきっかけともなっています。区民が区の課題を知り、未来についてともに考える開かれる場があることは、「みんなでつくる伝統、未来、水彩都市江東」という理念を具現化するとともに、未来のまちづくりに携わる地域リーダーを発掘し、育成する場にもなり得ると考えますが、区長のお考えを伺います。
(2)江東区観光推進プランにおける取組について
日本を訪問する外国人旅行客は年々増加し、2013年には1000万人を突破しました。国は2020年までに訪日外国人2,000万人との目標を掲げ、その経済波及効果を10兆4000億円と試算しています。少子高齢化により、国内人口の減少を避けられない日本において、外国人観光客の誘客を目指すインバウンド政策は、景気へのプラス効果や、地域経済活性化が期待されます。
特に、東京オリンピック開催時に中心区となる本区においては、外国人観光客の誘客を推進することで、区内商店街の活性化や、産業振興にもつながる大きなビジネスチャンスであるといえます。
また、有明にある東京ビッグサイトでは、数多くの国際会議が行われており、グローバルMICE戦略都市に指定されている東京都の取り組みにより、今後ますますの集客が期待されます。ビッグサイトに訪れたビジネス客・観光客を素通りさせるのではなく、豊洲や深川、城東地区など、区内全域での観光や買い物などにつなげる取組が必要不可欠です。
本区では、「江東区観光推進プラン」が平成23年に策定され、現在前期5カ年計画が進行中ですが、オリンピックの開催などを機会とした国際観光の取組は、前期では具体的にどのように位置づけられ、実施されているのでしょうか。後期計画については、観光推進プランの中に明確に「国際観光都市江東」の推進を位置づけ、実施すべきだと考えますが、本区の所見を伺います。
(3)江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画における取組について
本区では、多くのオリンピック・パラリンピック競技場が整備される地元区として、オリンピックレガシーを活かしたまちづくりを推進するため、「江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」を策定中であり、5月には、そのアウトラインを発表しました。
有明北・南地区、豊洲地区については、「国際居住観光ゾーン」としていますが、国際観光の観点から、湾岸エリアで具体的にどのような方針で取組を進めるのか、伺います。
(4)消費税免税制度を活用した外国人の誘客について
政府は観光立国に向け、2020年をめどに免税店を現在の2倍の1万店規模に増やす目標を掲げています。この10月には外国人旅行客向け免税制度が変わり、外国人に人気のお菓子や化粧品などの消耗品を含めた全ての品目が新たに免税対象となります。これは、区内事業者へのビジネスチャンスに大いにつながると考えられますが、本区としてはどのような支援策を実施する予定でしょうか。伺います。
(5)外国人向け観光まちづくりについて
オリンピックに向けた外国人向け観光まちづくりの視点として、江東区の歴史や伝統文化にふれ、区内での食事や商店街での買い物などにつながる、江東区のファンを増やしていく、ということは大変重要です。
本区は、富岡八幡宮や亀戸天神などの神社仏閣、相撲部屋や豊洲新市場、水辺を走る水陸両用バスや和船、江戸切子などの伝統工芸などの多様な地域資源を有しており、下町情緒あふれる商店街での買い物や、深川めしや江戸前寿司などは、外国人にとって魅力的な観光資源であるといえます。
現在、新しい観光の手法として、地域特有の資源を活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた「着地型観光」が注目されていますが、まち歩きや舟運を組み合わせ、区内の観光名所や伝統工芸の体験などをセットにした観光ツアーを、民間事業者などと連携し、外国人向けに開発するのはいかがでしょうか。伺います。
(6)ユニークベニューについて
ユニークベニューとは、歴史的建造物や公共空間などで会議やレセプションを開催することで、参加する人にサプライズを与え、地域特性を演出できる会場のことです。
2012年のロンドンオリンピックでは、セントポール大聖堂やケンジントン宮殿をはじめとする数多くのユニークベニューが活用されました。日本では、昨年、観光庁がユニークベニュー利用促進協議会を発足し、推進をはじめたところです。東京では、2013年に増上寺や東京国立博物館、福岡市では、福岡城や川端商店街などの活用事例があります。
本区にも、東京都現代美術館や日本科学未来館などの文化施設、富岡八幡宮や亀戸天神など、伝統ある神社仏閣があります。東京オリンピックを見据え、これらの場所をユニークベニューとして活用を推進することで、MICE開催地としての魅力やおもてなしの心を世界に発信する絶好のチャンスになります。
本区でも、推進を行ってはいかがでしょうか。伺います。
【答弁】
(1)「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについてのうち、まず、オリンピック・パラリンピックを踏まえた区民意見の反映についてであります。
「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピック」は、区民のアイディアや提言を直に聞き取り、区民・行政・区議会一体となった機運醸成につなげていきたいと、私の発案で始めました。私も、全3回に出席しましたが、区民の皆さんの素直な気持ち、我々にはない感性や意見に触れ、とても有意義で愉しい会でありました。頂いたご意見等は、観光やボランティアなどのカテゴリーに分類・整理し、今後の区の施策や都の要望に反映させてまいります。
また、区民意見を反映する会議体等の継続的な設置ですが、今のところ、来年度、本イベントの内容等にさらなる工夫を加え、新たな展開のもとで、区民参画をすすめることを考えております。
(2)次に、江東区観光推進プランにおける取り組みについてです。
平成23年度からの前期5カ年の行動計画では、まず、江東区観光協会を設立するなどの体制整備を図るとともに、国際観光の取り組みとして、外国語の表記の観光案内標識の設置などを行ってまいりました。
その後、東京オリンピック・パラリンピックの開催や、国内の総人口が減少過程に入り、国内観光客の減少が予測なされる中、経済成長を続けるアジア等からの外国人観光客の誘致が求められるなど、プラン策定後の社会情勢の変化に対応するため、プラン策定後の社会情勢の変化に対応するため、今後プランの見直しを行い、インバウンド施策を後期行動計画の重点項目として位置づけ、推進してまいります。
(3)次に、「江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」における取り組みについてです。
有明地区には、東京ビッグサイトを核とした、MICE機能が集積しております。また、羽田空港発のJR新線構想もあり、活性化する国際ビジネスを国際観光振興に繋げていきたいと考えております。
豊洲地区には、新市場に千客万来施設が整備され、外国人観光客にも好評の観光地となることを期待しております。
このため、競技場の整備にあたっては、観光振興に資するよう、木構造化や賑わいの拠点化を都に要望したところです。
今後も本区は、MICE機能、新市場、競技場群が連担した、国際観光拠点の形成に向け、まちづくりを推進してまいります。
(4)次に、消費税免税制度を活用した外国人の誘客についてです。
本年10月の輸出物品販売場制度の改正により、免税販売の対象が食品等の消耗品にも広げられたことは、商業の活性化の一助にもなると認識しております。区の支援策についてですが、区内商業施設が免税店になるためには、一定の要件が必要であることから、まずは、本制度について、国及び都と連携して周知を図るとともに、区としても情報収集に努め、いかなる支援策が有効であるか検討してまいります。
(5)次に、外国人向け観光まちづくりについてですが、地域固有の資源を新たに活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた「着地型観光」が地域活性化につながるものと期待されております。
本区の観光推進プランにおいても、旅行者のニーズに即した観光メニューづくりを「戦略プロジェクト」と位置づけております。
今後は、本区の歴史・文化、水辺、舟運など、外国人観光客を意識した観光メニューづくりについて、江東区観光協会や民間事業者等と連携し、進めてまいります。
(6)次に、ユニークベニューについてです。
MICEの誘致・開催は、国際会議や企業研修等への参加を通じて、日本へのビジネスの呼び込みを促進するものとされております。特に、会議やレセプションを歴史的建造物、博物館や美術館で行うことで、特別感や地域特性を演出できる「ユニークベニュー」については、国や都においても開発・利用促進を推進しているところであります。
本区としても、「ユニークベニュー」は、本区の歴史や文化を世界に発信できる魅力ある取り組みであり、臨海副都心をMICE・国際観光拠点として推進している都とも連携し、検討してまいります。
大綱2:ICTの活用について
(1) ホームページの全面リニューアルについて
本区のホームページはインターネット上の江東区の顔であり、区政情報を得る媒体として、区民から広く活用されています。
私はこれまでの議会質問の中で、ホームページのリニューアルや、SNSの導入等について数回に渡り質問させて頂きましたが、その結果、トップページの機能追加や防災・広報Twitterの導入など段階的に情報発信力の強化をすすめていることについては、評価いたします。
しかし、平成17年の全面リニューアルからまもなく10年を迎える本区のホームページは、小規模リニューアルや機能追加を繰り返すことで、情報量が増え、かえって必要な情報の探しやすさや見やすさが損なわれてきていることも事実です。区民からは「ホームページが探しにくい」「文字ばかりでわかりにくい」という声も度々頂いています。
先月、平成24年・25年度にそれぞれホームページの全面リニューアルを行った、足立区と千代田区を視察しました。いずれも、見やすさや探しやすさを追求したホームページを再構築しており、必要な情報がコンパクトに集約された見やすいトップページに加え、区民の関心が高い子育てや高齢者向け情報や、街の魅力を紹介する特設ページを設けるなど、区民からも高い評価を得ているとのことでした。
ホームページを再構築し、必要な情報を見やすく、分かりやすく提供することは、区民満足度のさらなる向上につながります。オリンピック開催を視野にいれ、国内外の観光客の増加や産業振興を意識し、江東区の魅力を多言語で戦略的に広報するという視点を新たに加えることで、都市間競争に勝つためのツールにもなり得るでしょう。
後期長期計画の中にホームページの全面リニューアルについて盛り込み、早急に実施すべきだと考えますが、今後の対応方針も含め、本区の見解を伺います。
(2) オープンデータについて
自治体がホームページ上で公開している行政情報や統計データなどを加工しやすい状態で誰もが自由に利用できる「オープンデータ」の有効活用により、住民サービス向上や行政が抱える課題を区民と共有して解決等に向けた協働が一層進むと期待されています。
既に欧米では、オープンデータ化が進んでおり、国内では、鯖江市や福岡市、千葉市などを筆頭に全国の自治体に広がり始めており、23区では千代田区でも活用が始まっているところです。
政府でも、平成24年にIT戦略本部が「電子行政オープンデータ戦略」を策定し、取組可能なデータからオープンデータとして提供していくよう、取組をはじめています。本区としても、前向きに取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
(3) ICTを活用した区民協働の取組について
ガバメント2.0は、ウェブなどのインターネット技術を活用して、住民との協働のもと、さらに効果的で質の高い行政サービスを提供するという取組で、欧米ではじまり、日本でも昨年頃から活用が広がっています。
先進自治体である千葉市では、市内で起きている、様々な課題(例えば道路が傷んでいるとか、公園の遊具が壊れているなど)を、スマートフォンなど身近なICTツールを使って市民がレポートすることで、市民と行政がそれらの情報を共有し、合理的、効率的に解決することを目指す「ちばレポ」という事業を、1年間の実証実験期間を経て、この9月から本格実施しています。実験に参加した市民からは、まちの課題の解決に自分も参加しようというコミュニティ参加意識の向上が見られたそうです。行政側は今後予想される効果として、道路や公園の維持管理に掛かる人員や行政コストの削減を見込んでいるということを、視察した際に伺いました。
江東区においても区民協働が推進されていますが、ICTを活用し、区民が身近に行政参画できる仕組みをつくり、行政と区民がともにまちづくりの課題解決を行う仕組みを積極的に導入してはいかがでしょうか。本区の所見と今後の導入意向について伺います。
(4)無料公衆無線LAN(WIFI)の整備について
東京オリンピックの開催に伴い、外国人旅行者が日本に来て不満を感じることの多い、無料WIFI環境を区内に整備することについて、昨年の第4回定例会で質問を行いました。山崎区長からは、「オリンピック・パラリンピックまでには徹底して江東区の湾岸エリアに無料WIFIを設置すべきだと考えており、都に対する要望に加える」という答弁を頂き、今年7月に特別区長会が都に対して行った要望にも反映して頂きました。
その後私は、行政主導で整備を行っている福岡市や、大阪観光局、浅草の仲見世商店街などの先進事例を視察し、関係者の方々と意見交換を行いました。その際、無料WIFIを整備するメリットとして、単に通信環境を無料で提供するだけではなく、WIFIを接続した際に観光名所やお店の情報を発信する他言語対応のポータルサイトに誘導することにより、来街者の滞在時間を増やし、観光推進や商店街振興につながること、ポータルサイトを通じて、災害発生時には、観光客に多言語対応の緊急情報を発信し、安全な避難誘導につなげることができることなどを伺いました。
オリンピック開催時に、湾岸エリアのみならず、区内全域の観光推進や消費拡大を行い、災害時の安心安全の確保につなげていくためには、今から区として戦略を持って、無料WIFI環境の整備に主導的に取り組むべきだと考えます。本区の見解と今後の対応方針について伺います。
(5) 全庁的なICT推進の取り組みについて
国のマイナンバー制度の導入、区民生活における新たなICT環境の普及・東日本大震災の発生やオリンピックの開催に伴うICT需要の増大等、行政の情報化施策を取り巻く外部環境は刻々と変化しており、将来を見据えた計画的な対応が求められます。
本区がこれまで実施してきた各事業における情報化の取組を更に発展させ、区民サービスの向上や行政の効率化を実現させるには、中長期的なビジョンをもってICT化をすすめていく必要があります。本区と、渋谷区を除く全ての区では、「情報化推進計画」を策定したうえで、計画的にICT施策を実施しています。前期長期計画の中で、本区では全庁的なICT活用をどのように位置づけ取組をすすめてきたのでしょうか、また後期計画においては、どのような戦略をお考えでしょうか。
本区においても情報化推進計画を立案し、全庁的に舵取りをする主幹部署を定めた上で、計画的に全庁的なICT推進に取り組むべきだと考えますが、本区の見解を伺います。
【答弁】
次に、本区のICT戦略についてのご質問にお答えします。
(1) まず、ホームページの全面リニューアルについてであります。
昨年度実施した江東区政世論調査におきましても、区政情報を得る媒体として、区報に次いでホームページとの回答が多く、広報活動に欠かせない媒体であると考えます。このため、平成17年の開設以来、より早くわかりやすい情報提供をめざして改良を重ねてまいりました。現在の閲覧状況は、粗大ゴミの出し方や保育園の空きなど、区民生活に密着した情報のアクセスが最も多く、区民に必要な情報提供媒体としての役割は十分果たしていると考えております。
そこで、全面リニューアルについてですが、オリンピックの開催は、本区の魅力を国内外にアピールする絶好の機会でありますので、そうした視点も加えて今後検討してまいります。
(2) 次に、オープンデータについてのご質問にお答えします。
道路や下水道といったインフラや人口など、行政の保有するデータを、にじりようが可能なルールのもとで公開するオープンデータは、いくつかの自治体で取り組みが始まったことは承知しております。しかしながら、生活圏が密接している特別区においては、特別区全体でデータ形式や公開ルールを統一した上で実施することで、より効果的に社会全体に活用されるものと考えております。
現在特別区の広報広聴課長会等において、オープンデータの研究をはじめたところであります。本区としてはこの取り組みに積極的に参加しながら、実施についての検討をすすめてまいります。
(3) 次に、ICTを活用した区民協働の取り組みについてであります。
ガバメント2.0は、住民との協働のもとに、最新のICT技術を活用した新たな行政運営手法のひとつとして認識しており、区民協働を長期計画の視点に掲げる本区においても注目しております。
ご質問にありましたシステムでは、通報された道路、公園等の補修について、実施主体を行政と住民に切り分け、対応するものと聞いており、住民の協働意識が不可欠なものと考えております。
千葉市では、今月から本格実施したところですので、今後その効果を検証するなど、さらに研究をすすめてまいりたいと考えております。
(4) 次に、無料公衆無線LANの整備についてのご質問にお答えします。
国においては、無料公衆無線LAN整備促進協議会を設置し、訪日外国人の導線を意識した整備促進を検討中であり、都においても、外国人旅行者が多く訪れるエリアでWi-Fi環境の先行的・重点的な整備と、国・民間事業者と連携した、一元的提供の促進を掲げております。
また、区長会としても国・都に対しWi-Fi環境の整備を要望しております。
区が主導して取り組むべきとのお尋ねですが、本区としては、国や都の整備状況を見ながら対応すべきと考えております。なお、接続時に独自のポータルサイトに誘導できるというメリットは認識しており、観光推進や災害時の活用については、調査・検討してまいります。
(5) 次に、全庁的なICT推進の取り組みについて伺います。
まず、長期計画におけるICT活用についてですが、平成12年に策定した長期基本計画においては、情報化を重点施策を支える基盤として位置づけ、推進してまいりましたが、庁内LAN等の基盤整備が整ったことから、現在の長期計画には特段の位置づけは行っておりません。
言うまでもなくICTは現代のインフラであり、各施策の実現のためのツールとして活用していく考えであります。
また、情報化推進計画と全庁的な取り組みについてですが、通信環境や情報技術が飛躍的に進歩する中で、実効性ある中長期的な計画策定は難しく、むしろ最新の技術動向を捉えた臨機の活用が有効であると考えております。
また、全庁的な取り組みとしては、電子自治体推進委員会を設置しており、全庁的な情報化の推進については、この中で検討してまいります。
大綱3:「水彩都市江東」のまちづくりについて
(1) 豊洲地区の水辺空間の活用について
江東区の内部河川や運河に恵まれた、美しい水辺の景観は、「水彩都市江東」として世界に誇れる貴重な観光資源であり、現在、区をあげて水辺空間の活用に積極的に取り組んでいます。
豊洲地区の水辺は中でも特に美しく、豊洲運河では、先週末にも、豊洲地区運河ルネッサンス協議会が定期開催している「豊洲水彩まつり」が開かれ、キャナルバーや音楽ライブや運河クルーズなどの多彩なイベントで地域住民や来訪者の方々の憩いとにぎわいの空間になっていました。
私が、これまで数回にわたり本会議や予算決算審査で質問を行ってきた豊洲埠頭の東電堀の水域の活用についても、水陸両用バスが発着できるスロープの整備が決定し、豊洲新市場開場と同時期に、水際緑地が整備される予定です。水陸両用バスも発着する東電堀の賑わいを創出し、世界に誇れる観光資源として活用するには、川の駅のような施設を整備することが不可欠です。天王洲アイルの水上レストランのような、海に浮かぶ施設を民間事業者により整備し、観光資源としての活用を目指してはいかがでしょうか。
豊洲新市場まわりをぐるりと囲む水域の、憩いと賑わいの創出については、地域住民の方々の悲願でもあり、オリンピック開催に向け、日本のみならず、世界の観光客を魅了する、水辺空間となるよう推進していくべきです。区として、東電堀など、豊洲埠頭周辺の賑わい創出については、どのように考え、実現に向けて動いているか、伺います。
(2) 防災船着き場の活用について
本区には、14箇所の防災船着き場があります。これらの船着き場は、災害時に陸上交通が麻痺した際は、人や救急物資を運ぶ水上輸送の拠点として活用されるものです。災害時に防災船着き場を適切に活用する為には日頃の訓練が欠かせないものであり、東日本大震災を機に、その必要性は高まっています。
大田区では総合防災訓練の際、定期的に水上輸送訓練を行っています。本区においても平成21年に民間団体が町会等と連携して船舶を利用した物資輸送や避難等の訓練を防災船着き場で実施した実績はありますが、行政として、総合防災訓練の中で、各地の防災船着場を活用した訓練を定期的に行うことが必要であると考えます。区の見解と今後の予定について伺います。
(3)行政間および民間との連携強化について
水辺の賑わいの創出については、東京都や近隣自治体の施策の中でも積極的な推進が図られています。日本橋ルネサンス地区や隅田川ルネサンス地区などでも、規制緩和による水辺のオープンカフェや、イベントの開催など様々な賑わい創出が図られ、東京オリンピック開催に向け、都内の水辺空間の活用はますます活発になってきています。本区でも、江東区観光協会が中央区や墨田区などの近隣自治体との舟運連携やまち歩きツアーの協働実施など連携を深めていますが、目に見える区境など境界線のない水辺の世界においては、オリンピック開催地である東京全体として、連続した賑わいを創出するとともに、行政の垣根を越えて、民間事業者の力も借りて、思わず行きたくなるような楽しさのある情報発信などの仕掛けをしていくことが必要です。
大阪で水辺活性化を推進している「水都大阪」の取組では、大阪市、大阪府、経済界が一体となって賑わいの創出やプロモーションを行っており、東京の水辺の情報発信は、大阪に遅れをとっているといえます。コンテンツとしての水辺の魅力を強化し、世界に向けて発信していくためには、行政間連携や民間事業者との連携が更に重要になります。本区の見解と姿勢について伺います。
以上で、会派を代表しての質問を終ります。ご清聴ありがとうございました。
【答弁】
(1) 次に、「水彩都市・江東」のまちづくりについてお答えします。
まず、豊洲地区の水辺空間の活用についてです。
区では、基本構想の目指す姿である、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」を実現するために、水辺と緑のネットワークづくりを推進していきます。
かねてより、親水公園の整備や水辺・潮風の散歩道の整備を行い、区民が水辺に親しむ空間の創出に努力してまいりました。
平成23年には、竪川河川敷公園に、区民が一層水面に近づき親しめるカヌー・カヤック場を整備し、昨年は、旧中川・川の駅に水陸両用バスを導入し、賑わい施設を設置するなど、民間の力を活用した一歩進んだ水辺の活用を図っているところです。
豊洲地区については、ご指摘のように運河ルネサンスの活動が本区の水辺の良さを際出させているところであり、豊洲公園でも水辺に面した立地を活かして各種イベントが行われ、地域住民に加えて多くの来訪者に喜ばれております。
豊洲埠頭では、新市場に代表される様々な開発が進んでいます。その埠頭を囲む水際緑地等を効率的に管理するため、国の補助金を受け、官民連携の具体的な管理スキームの検討を始めています。
その検討の結果、民間企業へのヒアリングも実施し、水上レストランなどの実施に向けた課題等の整理を行っています。
豊洲埠頭は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村と競技会場の間に位置することから、世界各地から訪れる選手・観光客に対して、東京の水辺の素晴らしさをアピールするためには絶好の場所と自負しております。
民間の力を活かして、緑地・公園だけにとどまらず、水面利用も視野にいれ、うるおいと賑わいあふれる空間を創出し、日本を代表する水辺空間にしたいと考えています。
(2)次に、防災船着き場の活用についてであります。区では、船舶を活用した物資搬送・人員輸送訓練の重要性は認識しており、平成21年度以降、第五砂町小学校・豊洲北小学校を会場とした総合防災訓練の地域訓練において、国土交通省東京港湾事務所と連携した訓練を実施しております。
今年度も10月13日の深川第八中学校の地域訓練で、協定団体である東京湾漁船業協同組合の協力を得て訓練を実施する予定であります。
来年度以降についても、訓練実施会場と防災船着き場の地理的関係性を考慮しながら更に充実させて実施していく考えであります。
(3)次に、行政間及び民間との連携強化についてです。
水辺の賑わいの創出については、既成概念にとらわれない、行政の垣根を越えた多岐にわたる連携が重要であると認識しております。
本区においては、「隅田川ルネサンス推進協議会」や「隅田川流域舟運連携協議会」等に参加し、東京都や近隣区、観光協会、NPO等と情報交換及び連携を図っているところです。
水辺の賑わいを創出するために、舟運の活性化に向けた防災船着き場の一般開放や、水辺歩きの楽しさを倍増させる、小名木川を「塩の道」として整備することなどに取り組んでまいりました。
また、墨田区と共同で実施した舟運事業化検討調査や、江東区観光協会において今年3月に実施した、中央区との舟運観光事業など、豊富な社会実験を実施してまいりました。
今後は、その検証結果を踏まえて、ご指摘のような水辺の賑わいの創出に向けた舟運の事業化や積極的なプロモーションを実施してまいります。
自治体間の広域連携をはじめ、観光関連団体や、民間事業者等とも一体となり、情報発信力の強化をはかり、水辺の魅力や賑わいの創出に向けた「水彩都市・江東」のまちづくりに向けて努めてまいります。
大綱1点目の「国際観光都市」3点目の「水彩都市江東」の質問については、山崎区長からの答弁です。
概ね、今後に繋がる前向きな答弁を頂けたと思っております。
大綱2点目の「ICT戦略」については、前向きな答弁と慎重な答弁、両方があったと思っております。
「オープンデータ」や、「ICTを活用した区民協働」など、これまでの江東区議会の質問にはなかった新しい視点も含まれておりますので、今後もしっかりと質問を続けていきたいと思っております。
最後に、傍聴にお越し頂いたり、ネット中継・ブログ等をご覧頂き、関心を寄せて頂いた皆様、質問作成にあたり、視察や情報交換等でお世話になった皆様、貴重なご意見を頂いた皆様に改めて感謝致します。
ありがとうございます。
区議会第3回定例会も、本会議一般質問・補正予算・決算審査特別委員会が終了し、昨日から常任委員会の審査が始まりました。
9月25日の本会議の中で行われた代表質問の動画がアップされましたので、質問と答弁の文章のメモとともにご紹介させて頂きます。
大きく(大綱)3点についての質問です。
1 「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについて
2 本区のICT戦略について
3 「水彩都市・江東」のまちづくりについて
今後の新たな江東区政に向けて必要となる視点や、区政の重点施策の中でも、私が特に力を入れている分野(水辺のまちづくりやICTの活用)に関して、20分の質問にまとめました。
ぜひ、動画の視聴等頂けると嬉しいです。
☆江東区議会インターネット中継平成26年第3回定例会(9月25日)
■質問・答弁(メモ:正式な記録は「江東区議会会議録」をご参照ください。)
江東区議会民主党の鈴木綾子です。会派を代表して、大綱3点について質問いたします。区長ならびに関係理事者の皆様には、明快で前向きな答弁を期待致します。
大綱1:「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについて
(1)オリンピック・パラリンピックを踏まえた区民意見の反映について
後期長期計画の最重要課題は、やはり東京オリンピック・パラリンピックの開催であると考えます。本区では、この7月から「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピック」を既に3回開催し、オリンピックに対応したまちづくりに区民意見を反映されるための取組を行っています。私も9月4日に深川スポーツセンターで、区民からの生の意見を直接お伺いし、改めて、「東京オリンピック・パラリンピックを絶対に成功させよう」と決意を新たにしましたが、区長自らこの会に参加され、どのようにお感じになられたのか。区民意見を具体的にどのように見える化し、長期計画に活かしていくのか、具体的な方策についてお示しください。
オリンピック・パラリンピックについては、区民生活を大きく変える出来事であり、頂いた区民の声がどのように区の施策に活かされるのか、その過程や決定した施策を「見える化」するともに、区民意見を反映する会議体などを継続的につくることが必要不可欠であると考えます。私は以前、2007年江東区基本構想を検討する際、区民意見を反映する場として設置された「江東未来会議」に区民公募委員として参加した経緯があり、それが今、議員として仕事をさせて頂くきっかけともなっています。区民が区の課題を知り、未来についてともに考える開かれる場があることは、「みんなでつくる伝統、未来、水彩都市江東」という理念を具現化するとともに、未来のまちづくりに携わる地域リーダーを発掘し、育成する場にもなり得ると考えますが、区長のお考えを伺います。
(2)江東区観光推進プランにおける取組について
日本を訪問する外国人旅行客は年々増加し、2013年には1000万人を突破しました。国は2020年までに訪日外国人2,000万人との目標を掲げ、その経済波及効果を10兆4000億円と試算しています。少子高齢化により、国内人口の減少を避けられない日本において、外国人観光客の誘客を目指すインバウンド政策は、景気へのプラス効果や、地域経済活性化が期待されます。
特に、東京オリンピック開催時に中心区となる本区においては、外国人観光客の誘客を推進することで、区内商店街の活性化や、産業振興にもつながる大きなビジネスチャンスであるといえます。
また、有明にある東京ビッグサイトでは、数多くの国際会議が行われており、グローバルMICE戦略都市に指定されている東京都の取り組みにより、今後ますますの集客が期待されます。ビッグサイトに訪れたビジネス客・観光客を素通りさせるのではなく、豊洲や深川、城東地区など、区内全域での観光や買い物などにつなげる取組が必要不可欠です。
本区では、「江東区観光推進プラン」が平成23年に策定され、現在前期5カ年計画が進行中ですが、オリンピックの開催などを機会とした国際観光の取組は、前期では具体的にどのように位置づけられ、実施されているのでしょうか。後期計画については、観光推進プランの中に明確に「国際観光都市江東」の推進を位置づけ、実施すべきだと考えますが、本区の所見を伺います。
(3)江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画における取組について
本区では、多くのオリンピック・パラリンピック競技場が整備される地元区として、オリンピックレガシーを活かしたまちづくりを推進するため、「江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」を策定中であり、5月には、そのアウトラインを発表しました。
有明北・南地区、豊洲地区については、「国際居住観光ゾーン」としていますが、国際観光の観点から、湾岸エリアで具体的にどのような方針で取組を進めるのか、伺います。
(4)消費税免税制度を活用した外国人の誘客について
政府は観光立国に向け、2020年をめどに免税店を現在の2倍の1万店規模に増やす目標を掲げています。この10月には外国人旅行客向け免税制度が変わり、外国人に人気のお菓子や化粧品などの消耗品を含めた全ての品目が新たに免税対象となります。これは、区内事業者へのビジネスチャンスに大いにつながると考えられますが、本区としてはどのような支援策を実施する予定でしょうか。伺います。
(5)外国人向け観光まちづくりについて
オリンピックに向けた外国人向け観光まちづくりの視点として、江東区の歴史や伝統文化にふれ、区内での食事や商店街での買い物などにつながる、江東区のファンを増やしていく、ということは大変重要です。
本区は、富岡八幡宮や亀戸天神などの神社仏閣、相撲部屋や豊洲新市場、水辺を走る水陸両用バスや和船、江戸切子などの伝統工芸などの多様な地域資源を有しており、下町情緒あふれる商店街での買い物や、深川めしや江戸前寿司などは、外国人にとって魅力的な観光資源であるといえます。
現在、新しい観光の手法として、地域特有の資源を活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた「着地型観光」が注目されていますが、まち歩きや舟運を組み合わせ、区内の観光名所や伝統工芸の体験などをセットにした観光ツアーを、民間事業者などと連携し、外国人向けに開発するのはいかがでしょうか。伺います。
(6)ユニークベニューについて
ユニークベニューとは、歴史的建造物や公共空間などで会議やレセプションを開催することで、参加する人にサプライズを与え、地域特性を演出できる会場のことです。
2012年のロンドンオリンピックでは、セントポール大聖堂やケンジントン宮殿をはじめとする数多くのユニークベニューが活用されました。日本では、昨年、観光庁がユニークベニュー利用促進協議会を発足し、推進をはじめたところです。東京では、2013年に増上寺や東京国立博物館、福岡市では、福岡城や川端商店街などの活用事例があります。
本区にも、東京都現代美術館や日本科学未来館などの文化施設、富岡八幡宮や亀戸天神など、伝統ある神社仏閣があります。東京オリンピックを見据え、これらの場所をユニークベニューとして活用を推進することで、MICE開催地としての魅力やおもてなしの心を世界に発信する絶好のチャンスになります。
本区でも、推進を行ってはいかがでしょうか。伺います。
【答弁】
(1)「国際観光都市江東」に向けてのまちづくりについてのうち、まず、オリンピック・パラリンピックを踏まえた区民意見の反映についてであります。
「聞かせて!あなたのオリンピック・パラリンピック」は、区民のアイディアや提言を直に聞き取り、区民・行政・区議会一体となった機運醸成につなげていきたいと、私の発案で始めました。私も、全3回に出席しましたが、区民の皆さんの素直な気持ち、我々にはない感性や意見に触れ、とても有意義で愉しい会でありました。頂いたご意見等は、観光やボランティアなどのカテゴリーに分類・整理し、今後の区の施策や都の要望に反映させてまいります。
また、区民意見を反映する会議体等の継続的な設置ですが、今のところ、来年度、本イベントの内容等にさらなる工夫を加え、新たな展開のもとで、区民参画をすすめることを考えております。
(2)次に、江東区観光推進プランにおける取り組みについてです。
平成23年度からの前期5カ年の行動計画では、まず、江東区観光協会を設立するなどの体制整備を図るとともに、国際観光の取り組みとして、外国語の表記の観光案内標識の設置などを行ってまいりました。
その後、東京オリンピック・パラリンピックの開催や、国内の総人口が減少過程に入り、国内観光客の減少が予測なされる中、経済成長を続けるアジア等からの外国人観光客の誘致が求められるなど、プラン策定後の社会情勢の変化に対応するため、プラン策定後の社会情勢の変化に対応するため、今後プランの見直しを行い、インバウンド施策を後期行動計画の重点項目として位置づけ、推進してまいります。
(3)次に、「江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」における取り組みについてです。
有明地区には、東京ビッグサイトを核とした、MICE機能が集積しております。また、羽田空港発のJR新線構想もあり、活性化する国際ビジネスを国際観光振興に繋げていきたいと考えております。
豊洲地区には、新市場に千客万来施設が整備され、外国人観光客にも好評の観光地となることを期待しております。
このため、競技場の整備にあたっては、観光振興に資するよう、木構造化や賑わいの拠点化を都に要望したところです。
今後も本区は、MICE機能、新市場、競技場群が連担した、国際観光拠点の形成に向け、まちづくりを推進してまいります。
(4)次に、消費税免税制度を活用した外国人の誘客についてです。
本年10月の輸出物品販売場制度の改正により、免税販売の対象が食品等の消耗品にも広げられたことは、商業の活性化の一助にもなると認識しております。区の支援策についてですが、区内商業施設が免税店になるためには、一定の要件が必要であることから、まずは、本制度について、国及び都と連携して周知を図るとともに、区としても情報収集に努め、いかなる支援策が有効であるか検討してまいります。
(5)次に、外国人向け観光まちづくりについてですが、地域固有の資源を新たに活用し、体験型・交流型の要素を取り入れた「着地型観光」が地域活性化につながるものと期待されております。
本区の観光推進プランにおいても、旅行者のニーズに即した観光メニューづくりを「戦略プロジェクト」と位置づけております。
今後は、本区の歴史・文化、水辺、舟運など、外国人観光客を意識した観光メニューづくりについて、江東区観光協会や民間事業者等と連携し、進めてまいります。
(6)次に、ユニークベニューについてです。
MICEの誘致・開催は、国際会議や企業研修等への参加を通じて、日本へのビジネスの呼び込みを促進するものとされております。特に、会議やレセプションを歴史的建造物、博物館や美術館で行うことで、特別感や地域特性を演出できる「ユニークベニュー」については、国や都においても開発・利用促進を推進しているところであります。
本区としても、「ユニークベニュー」は、本区の歴史や文化を世界に発信できる魅力ある取り組みであり、臨海副都心をMICE・国際観光拠点として推進している都とも連携し、検討してまいります。
大綱2:ICTの活用について
(1) ホームページの全面リニューアルについて
本区のホームページはインターネット上の江東区の顔であり、区政情報を得る媒体として、区民から広く活用されています。
私はこれまでの議会質問の中で、ホームページのリニューアルや、SNSの導入等について数回に渡り質問させて頂きましたが、その結果、トップページの機能追加や防災・広報Twitterの導入など段階的に情報発信力の強化をすすめていることについては、評価いたします。
しかし、平成17年の全面リニューアルからまもなく10年を迎える本区のホームページは、小規模リニューアルや機能追加を繰り返すことで、情報量が増え、かえって必要な情報の探しやすさや見やすさが損なわれてきていることも事実です。区民からは「ホームページが探しにくい」「文字ばかりでわかりにくい」という声も度々頂いています。
先月、平成24年・25年度にそれぞれホームページの全面リニューアルを行った、足立区と千代田区を視察しました。いずれも、見やすさや探しやすさを追求したホームページを再構築しており、必要な情報がコンパクトに集約された見やすいトップページに加え、区民の関心が高い子育てや高齢者向け情報や、街の魅力を紹介する特設ページを設けるなど、区民からも高い評価を得ているとのことでした。
ホームページを再構築し、必要な情報を見やすく、分かりやすく提供することは、区民満足度のさらなる向上につながります。オリンピック開催を視野にいれ、国内外の観光客の増加や産業振興を意識し、江東区の魅力を多言語で戦略的に広報するという視点を新たに加えることで、都市間競争に勝つためのツールにもなり得るでしょう。
後期長期計画の中にホームページの全面リニューアルについて盛り込み、早急に実施すべきだと考えますが、今後の対応方針も含め、本区の見解を伺います。
(2) オープンデータについて
自治体がホームページ上で公開している行政情報や統計データなどを加工しやすい状態で誰もが自由に利用できる「オープンデータ」の有効活用により、住民サービス向上や行政が抱える課題を区民と共有して解決等に向けた協働が一層進むと期待されています。
既に欧米では、オープンデータ化が進んでおり、国内では、鯖江市や福岡市、千葉市などを筆頭に全国の自治体に広がり始めており、23区では千代田区でも活用が始まっているところです。
政府でも、平成24年にIT戦略本部が「電子行政オープンデータ戦略」を策定し、取組可能なデータからオープンデータとして提供していくよう、取組をはじめています。本区としても、前向きに取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
(3) ICTを活用した区民協働の取組について
ガバメント2.0は、ウェブなどのインターネット技術を活用して、住民との協働のもと、さらに効果的で質の高い行政サービスを提供するという取組で、欧米ではじまり、日本でも昨年頃から活用が広がっています。
先進自治体である千葉市では、市内で起きている、様々な課題(例えば道路が傷んでいるとか、公園の遊具が壊れているなど)を、スマートフォンなど身近なICTツールを使って市民がレポートすることで、市民と行政がそれらの情報を共有し、合理的、効率的に解決することを目指す「ちばレポ」という事業を、1年間の実証実験期間を経て、この9月から本格実施しています。実験に参加した市民からは、まちの課題の解決に自分も参加しようというコミュニティ参加意識の向上が見られたそうです。行政側は今後予想される効果として、道路や公園の維持管理に掛かる人員や行政コストの削減を見込んでいるということを、視察した際に伺いました。
江東区においても区民協働が推進されていますが、ICTを活用し、区民が身近に行政参画できる仕組みをつくり、行政と区民がともにまちづくりの課題解決を行う仕組みを積極的に導入してはいかがでしょうか。本区の所見と今後の導入意向について伺います。
(4)無料公衆無線LAN(WIFI)の整備について
東京オリンピックの開催に伴い、外国人旅行者が日本に来て不満を感じることの多い、無料WIFI環境を区内に整備することについて、昨年の第4回定例会で質問を行いました。山崎区長からは、「オリンピック・パラリンピックまでには徹底して江東区の湾岸エリアに無料WIFIを設置すべきだと考えており、都に対する要望に加える」という答弁を頂き、今年7月に特別区長会が都に対して行った要望にも反映して頂きました。
その後私は、行政主導で整備を行っている福岡市や、大阪観光局、浅草の仲見世商店街などの先進事例を視察し、関係者の方々と意見交換を行いました。その際、無料WIFIを整備するメリットとして、単に通信環境を無料で提供するだけではなく、WIFIを接続した際に観光名所やお店の情報を発信する他言語対応のポータルサイトに誘導することにより、来街者の滞在時間を増やし、観光推進や商店街振興につながること、ポータルサイトを通じて、災害発生時には、観光客に多言語対応の緊急情報を発信し、安全な避難誘導につなげることができることなどを伺いました。
オリンピック開催時に、湾岸エリアのみならず、区内全域の観光推進や消費拡大を行い、災害時の安心安全の確保につなげていくためには、今から区として戦略を持って、無料WIFI環境の整備に主導的に取り組むべきだと考えます。本区の見解と今後の対応方針について伺います。
(5) 全庁的なICT推進の取り組みについて
国のマイナンバー制度の導入、区民生活における新たなICT環境の普及・東日本大震災の発生やオリンピックの開催に伴うICT需要の増大等、行政の情報化施策を取り巻く外部環境は刻々と変化しており、将来を見据えた計画的な対応が求められます。
本区がこれまで実施してきた各事業における情報化の取組を更に発展させ、区民サービスの向上や行政の効率化を実現させるには、中長期的なビジョンをもってICT化をすすめていく必要があります。本区と、渋谷区を除く全ての区では、「情報化推進計画」を策定したうえで、計画的にICT施策を実施しています。前期長期計画の中で、本区では全庁的なICT活用をどのように位置づけ取組をすすめてきたのでしょうか、また後期計画においては、どのような戦略をお考えでしょうか。
本区においても情報化推進計画を立案し、全庁的に舵取りをする主幹部署を定めた上で、計画的に全庁的なICT推進に取り組むべきだと考えますが、本区の見解を伺います。
【答弁】
次に、本区のICT戦略についてのご質問にお答えします。
(1) まず、ホームページの全面リニューアルについてであります。
昨年度実施した江東区政世論調査におきましても、区政情報を得る媒体として、区報に次いでホームページとの回答が多く、広報活動に欠かせない媒体であると考えます。このため、平成17年の開設以来、より早くわかりやすい情報提供をめざして改良を重ねてまいりました。現在の閲覧状況は、粗大ゴミの出し方や保育園の空きなど、区民生活に密着した情報のアクセスが最も多く、区民に必要な情報提供媒体としての役割は十分果たしていると考えております。
そこで、全面リニューアルについてですが、オリンピックの開催は、本区の魅力を国内外にアピールする絶好の機会でありますので、そうした視点も加えて今後検討してまいります。
(2) 次に、オープンデータについてのご質問にお答えします。
道路や下水道といったインフラや人口など、行政の保有するデータを、にじりようが可能なルールのもとで公開するオープンデータは、いくつかの自治体で取り組みが始まったことは承知しております。しかしながら、生活圏が密接している特別区においては、特別区全体でデータ形式や公開ルールを統一した上で実施することで、より効果的に社会全体に活用されるものと考えております。
現在特別区の広報広聴課長会等において、オープンデータの研究をはじめたところであります。本区としてはこの取り組みに積極的に参加しながら、実施についての検討をすすめてまいります。
(3) 次に、ICTを活用した区民協働の取り組みについてであります。
ガバメント2.0は、住民との協働のもとに、最新のICT技術を活用した新たな行政運営手法のひとつとして認識しており、区民協働を長期計画の視点に掲げる本区においても注目しております。
ご質問にありましたシステムでは、通報された道路、公園等の補修について、実施主体を行政と住民に切り分け、対応するものと聞いており、住民の協働意識が不可欠なものと考えております。
千葉市では、今月から本格実施したところですので、今後その効果を検証するなど、さらに研究をすすめてまいりたいと考えております。
(4) 次に、無料公衆無線LANの整備についてのご質問にお答えします。
国においては、無料公衆無線LAN整備促進協議会を設置し、訪日外国人の導線を意識した整備促進を検討中であり、都においても、外国人旅行者が多く訪れるエリアでWi-Fi環境の先行的・重点的な整備と、国・民間事業者と連携した、一元的提供の促進を掲げております。
また、区長会としても国・都に対しWi-Fi環境の整備を要望しております。
区が主導して取り組むべきとのお尋ねですが、本区としては、国や都の整備状況を見ながら対応すべきと考えております。なお、接続時に独自のポータルサイトに誘導できるというメリットは認識しており、観光推進や災害時の活用については、調査・検討してまいります。
(5) 次に、全庁的なICT推進の取り組みについて伺います。
まず、長期計画におけるICT活用についてですが、平成12年に策定した長期基本計画においては、情報化を重点施策を支える基盤として位置づけ、推進してまいりましたが、庁内LAN等の基盤整備が整ったことから、現在の長期計画には特段の位置づけは行っておりません。
言うまでもなくICTは現代のインフラであり、各施策の実現のためのツールとして活用していく考えであります。
また、情報化推進計画と全庁的な取り組みについてですが、通信環境や情報技術が飛躍的に進歩する中で、実効性ある中長期的な計画策定は難しく、むしろ最新の技術動向を捉えた臨機の活用が有効であると考えております。
また、全庁的な取り組みとしては、電子自治体推進委員会を設置しており、全庁的な情報化の推進については、この中で検討してまいります。
大綱3:「水彩都市江東」のまちづくりについて
(1) 豊洲地区の水辺空間の活用について
江東区の内部河川や運河に恵まれた、美しい水辺の景観は、「水彩都市江東」として世界に誇れる貴重な観光資源であり、現在、区をあげて水辺空間の活用に積極的に取り組んでいます。
豊洲地区の水辺は中でも特に美しく、豊洲運河では、先週末にも、豊洲地区運河ルネッサンス協議会が定期開催している「豊洲水彩まつり」が開かれ、キャナルバーや音楽ライブや運河クルーズなどの多彩なイベントで地域住民や来訪者の方々の憩いとにぎわいの空間になっていました。
私が、これまで数回にわたり本会議や予算決算審査で質問を行ってきた豊洲埠頭の東電堀の水域の活用についても、水陸両用バスが発着できるスロープの整備が決定し、豊洲新市場開場と同時期に、水際緑地が整備される予定です。水陸両用バスも発着する東電堀の賑わいを創出し、世界に誇れる観光資源として活用するには、川の駅のような施設を整備することが不可欠です。天王洲アイルの水上レストランのような、海に浮かぶ施設を民間事業者により整備し、観光資源としての活用を目指してはいかがでしょうか。
豊洲新市場まわりをぐるりと囲む水域の、憩いと賑わいの創出については、地域住民の方々の悲願でもあり、オリンピック開催に向け、日本のみならず、世界の観光客を魅了する、水辺空間となるよう推進していくべきです。区として、東電堀など、豊洲埠頭周辺の賑わい創出については、どのように考え、実現に向けて動いているか、伺います。
(2) 防災船着き場の活用について
本区には、14箇所の防災船着き場があります。これらの船着き場は、災害時に陸上交通が麻痺した際は、人や救急物資を運ぶ水上輸送の拠点として活用されるものです。災害時に防災船着き場を適切に活用する為には日頃の訓練が欠かせないものであり、東日本大震災を機に、その必要性は高まっています。
大田区では総合防災訓練の際、定期的に水上輸送訓練を行っています。本区においても平成21年に民間団体が町会等と連携して船舶を利用した物資輸送や避難等の訓練を防災船着き場で実施した実績はありますが、行政として、総合防災訓練の中で、各地の防災船着場を活用した訓練を定期的に行うことが必要であると考えます。区の見解と今後の予定について伺います。
(3)行政間および民間との連携強化について
水辺の賑わいの創出については、東京都や近隣自治体の施策の中でも積極的な推進が図られています。日本橋ルネサンス地区や隅田川ルネサンス地区などでも、規制緩和による水辺のオープンカフェや、イベントの開催など様々な賑わい創出が図られ、東京オリンピック開催に向け、都内の水辺空間の活用はますます活発になってきています。本区でも、江東区観光協会が中央区や墨田区などの近隣自治体との舟運連携やまち歩きツアーの協働実施など連携を深めていますが、目に見える区境など境界線のない水辺の世界においては、オリンピック開催地である東京全体として、連続した賑わいを創出するとともに、行政の垣根を越えて、民間事業者の力も借りて、思わず行きたくなるような楽しさのある情報発信などの仕掛けをしていくことが必要です。
大阪で水辺活性化を推進している「水都大阪」の取組では、大阪市、大阪府、経済界が一体となって賑わいの創出やプロモーションを行っており、東京の水辺の情報発信は、大阪に遅れをとっているといえます。コンテンツとしての水辺の魅力を強化し、世界に向けて発信していくためには、行政間連携や民間事業者との連携が更に重要になります。本区の見解と姿勢について伺います。
以上で、会派を代表しての質問を終ります。ご清聴ありがとうございました。
【答弁】
(1) 次に、「水彩都市・江東」のまちづくりについてお答えします。
まず、豊洲地区の水辺空間の活用についてです。
区では、基本構想の目指す姿である、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」を実現するために、水辺と緑のネットワークづくりを推進していきます。
かねてより、親水公園の整備や水辺・潮風の散歩道の整備を行い、区民が水辺に親しむ空間の創出に努力してまいりました。
平成23年には、竪川河川敷公園に、区民が一層水面に近づき親しめるカヌー・カヤック場を整備し、昨年は、旧中川・川の駅に水陸両用バスを導入し、賑わい施設を設置するなど、民間の力を活用した一歩進んだ水辺の活用を図っているところです。
豊洲地区については、ご指摘のように運河ルネサンスの活動が本区の水辺の良さを際出させているところであり、豊洲公園でも水辺に面した立地を活かして各種イベントが行われ、地域住民に加えて多くの来訪者に喜ばれております。
豊洲埠頭では、新市場に代表される様々な開発が進んでいます。その埠頭を囲む水際緑地等を効率的に管理するため、国の補助金を受け、官民連携の具体的な管理スキームの検討を始めています。
その検討の結果、民間企業へのヒアリングも実施し、水上レストランなどの実施に向けた課題等の整理を行っています。
豊洲埠頭は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村と競技会場の間に位置することから、世界各地から訪れる選手・観光客に対して、東京の水辺の素晴らしさをアピールするためには絶好の場所と自負しております。
民間の力を活かして、緑地・公園だけにとどまらず、水面利用も視野にいれ、うるおいと賑わいあふれる空間を創出し、日本を代表する水辺空間にしたいと考えています。
(2)次に、防災船着き場の活用についてであります。区では、船舶を活用した物資搬送・人員輸送訓練の重要性は認識しており、平成21年度以降、第五砂町小学校・豊洲北小学校を会場とした総合防災訓練の地域訓練において、国土交通省東京港湾事務所と連携した訓練を実施しております。
今年度も10月13日の深川第八中学校の地域訓練で、協定団体である東京湾漁船業協同組合の協力を得て訓練を実施する予定であります。
来年度以降についても、訓練実施会場と防災船着き場の地理的関係性を考慮しながら更に充実させて実施していく考えであります。
(3)次に、行政間及び民間との連携強化についてです。
水辺の賑わいの創出については、既成概念にとらわれない、行政の垣根を越えた多岐にわたる連携が重要であると認識しております。
本区においては、「隅田川ルネサンス推進協議会」や「隅田川流域舟運連携協議会」等に参加し、東京都や近隣区、観光協会、NPO等と情報交換及び連携を図っているところです。
水辺の賑わいを創出するために、舟運の活性化に向けた防災船着き場の一般開放や、水辺歩きの楽しさを倍増させる、小名木川を「塩の道」として整備することなどに取り組んでまいりました。
また、墨田区と共同で実施した舟運事業化検討調査や、江東区観光協会において今年3月に実施した、中央区との舟運観光事業など、豊富な社会実験を実施してまいりました。
今後は、その検証結果を踏まえて、ご指摘のような水辺の賑わいの創出に向けた舟運の事業化や積極的なプロモーションを実施してまいります。
自治体間の広域連携をはじめ、観光関連団体や、民間事業者等とも一体となり、情報発信力の強化をはかり、水辺の魅力や賑わいの創出に向けた「水彩都市・江東」のまちづくりに向けて努めてまいります。
大綱1点目の「国際観光都市」3点目の「水彩都市江東」の質問については、山崎区長からの答弁です。
概ね、今後に繋がる前向きな答弁を頂けたと思っております。
大綱2点目の「ICT戦略」については、前向きな答弁と慎重な答弁、両方があったと思っております。
「オープンデータ」や、「ICTを活用した区民協働」など、これまでの江東区議会の質問にはなかった新しい視点も含まれておりますので、今後もしっかりと質問を続けていきたいと思っております。
最後に、傍聴にお越し頂いたり、ネット中継・ブログ等をご覧頂き、関心を寄せて頂いた皆様、質問作成にあたり、視察や情報交換等でお世話になった皆様、貴重なご意見を頂いた皆様に改めて感謝致します。
ありがとうございます。